■ 脳みそはすごい

人の脳みそというのは実にすごいものだと思います。

確かにコンピューターもすごい。
膨大なデータを記憶し、そのデータから必要とするものを検索し、計算する能力といったら、
間違いなくどんな人でも敵いません。

しかし、コンピューターはどのデータを抜き出して、どういう計算をするかは決して分からないので、
それは結局人間の脳みそがしてやらないといけません。

競馬の予想をしていて、
いくら理論的な結論を導き出しても、感覚的な判断がそれに勝るという経験は少なくないです。
例えば、「強い馬だとは思いつつも、どうも危険な人気馬のような気がしてならない」とか、
「この距離は初めてだけど、何となく向いている気がする」とか、そういうやつです。

これは、過去に自分が経験した似たような事例を、脳みそが知らず知らずのうちに検索していて、
今の状況が過去の経験と似ていると判断したからだと思います。

もちろん、似たようなことはコンピューターでもできるんですが、
コンピューターでは具体的な特徴を挙げてやったりしないと検索できません。
脳みそは、どの部分が似ていると判断したかは分からないんですが、
脳みその中に知らず知らずの間に蓄積されたデータベースから
実にうまいこと見つけてくるものです。

レースを予想するときに、
「どの馬がいつ何着で、これとこれが対戦しているから、こっちが強いはず。
いやいやこのときは重馬場だったし、距離も200m短かった。
この距離なら、むしろこっちの対戦を重視すべきで、この馬の方が強いんじゃないか・・・」
なんて色々考えたりします。
予想というのはそれが楽しいんだと言う方もいらっしゃるかも知れませんが、
実はそんなものは、目の前のレースのためにには何の足しにもならないんです。

きっと、過去に何を思って何を見てきたかによって、
目の前のレースで出しうる結論というのは自ずと決まってきてしまうんだろうと思います。

私はスピード指数という、ものすごくデジタルなものを使いながらも、
予想そのものは全くのアナログです。
それは、人の脳みそにかなうものはないと思っているからです。

それでも、まだまだ私の脳みそに入っているデータベースはスカスカです。
もっといろいろと考えて、脳みそのデータベースを一杯にしてやりたいなと思います。

2006.08.24 「脳みそはすごい」より

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